カツオノエボシは、別名「電気クラゲ」とも呼ばれるクダクラゲ科の刺胞動物だ。太平洋沿岸にカツオが到来する時期にやって来て、見た目が「烏帽子(えぼし)」に似ているため、「鰹の烏帽子(カツオノエボシ)」と名付けられたこの生物は、見た目こそ「青くて透き通ったギョウザ」のようだが、触手に強力な毒を持っており大変危険です。
触手は青い風船の下に多くのひもがぶら下がったような形をしています。
カツオノエボシは、普段はこの長い触手にある刺胞で魚を刺して、殺して餌にしています。人が遊泳中にこの刺胞で刺されたら大変です。
人が刺されると、体中に電気が走ったと思うほどの激痛が全身を走り、刺された所が赤くミミズばれになります。ショックで死亡した例もあります。
台風が通過したり強い海風が吹いた後は要注意です。砂浜や岩礁帯にカツオノエボシが打ち上げられていることがあります。
気胞体は写真では大きく感じますが、実際の大きさは10cm程度です。思ったよりも小さいので見落とさないように! 触手は砂まみれになっていても、刺激を受けると刺胞が発射されます。この刺胞の発射は、カツオノエボシの意思とは無関係に、異物が触手に接触した刺激だけで行われるものです。したがって、たとえ触手が切り離されていたとしても、これに触ると刺されます。
カツオノエボシに刺されたときの応急処置は次のようです。
①幹部周辺に触手が付着しているときは、海水で洗い流して触手を除去します。
②その後、氷や冷水で患部を冷やしながら病院に急ぎ、医療機関で治療を受けます。
カツオノエボシはハブクラゲやアカクラゲなどとは違う仲間です。クラゲに対して効果がある「酢をかける方法」は、カツオノエボシには効果がないばかりか、酢の刺激で余計に毒が出て逆効果になるようです。また真水で洗うのもいけません。必ず海水で(こすらないように)洗い流してください。
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